「傍にいなくてもいい、気持ちは繋がっているから。」
079 傍にいなくてもいい
「…なーんて、そんなわけないじゃないか…。」
ふらりと道化師のような彼がやってきて、身体を重ねた後、またふらりと夜の闇に溶けていってしまった。
その彼がいなくなった後の寝台の上で一人眠りに堕ちるまでが、何とも言えず寂しい。
シーツはまだほんのりと暖かく、彼の残り香がする。
さっきまでここに居たのに。
あの綺麗な白金の髪が月光に煌いて広がり、白い肢体が淫らに堕ちていく様が、僕の目の前で暴かれていたというのに。
今はもう記憶の中でしかない。
ギリ、と彼の体温の滲む、白いシーツを握り締める。
傍にいなくてもいい、なんて嘘。
僕は…そんな事を言って自分を納得させられるほど、大人じゃないんだ。
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短っ!
なんか…楊ゼンがかわいそうな話が多くてすみません…;
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